幕が開ける前からわかっていた
でもそれが現実となると受け入れられない自分がいる
帆も折れ舵も壊れ、今にも沈みそうな傷だらけの
見かけだけ繕った船は、この大海では彷徨うだけの存在でしかなかった
哀しいのは、その船を傍観するしかない無力感と
見捨ててしまった、オーナーへの想いだろうか
最初から参加するだけのレースだったのかもしれない
本業が儘ならないオーナーの見栄だけで維持している船
それでもこの伝統あるレースを楽しみにしている者たちがいる
ゴールにいち早くたどり着き輝ける瞬間を共存したい者たちがいる
それも、もう終ったことなのかもしれない
船を任せられた長も、今は傍観者となり下がり
襲いかかる波に、立ち向かおうという気力も失せてしまったようだ
先を導く者のいない船は、右往左往する者や己の欲望のままに過ごす者で溢れ
内からの浸食も進みつつある
外から支援をしなくてはいけないスタッフは機能せず
間違ったパーツの組み替えは小さな穴を大きくする効果しか生まかった
あ~このボロ舟は何所にたどり着くのであろうか
<続く>
(次回掲載未定)